私は10年以上魚突きを続けてきました。フロートには大切な役割が有る反面扱いがとても難しく、一歩間違えると命を落とすきっかけにもなり得ます。私の知識を総動員してフロートの選び方を説明していきます。
フロート/ラインの構成
フロート、ライン、銛の繋がりは以下の様になっています。
フロート:フロート本体です。風船や発泡スチロールなどの素材でできている胴体部と旗がセットになっています。
ライン:ゴムやナイロンでできています。私は水中拘束時に容易に切れるよう、細いゴムのラインを使っています。ラインの太さや材料は、「ターゲットとしている魚に全力で引っ張られても切れなけい 且つ ナイフで容易に切れる」を条件にすると良いと思います。このラインは、手当てとゴムの間にカラビナなどで固定しましょう。
手当て:手を入れてゴムを引く為の輪っか状の部品です。
フロート/ラインの役割
フロートには以下役割が有ります。
船へ泳いでいる事を知らせる
フロートは船の上からでも見やすいよう、オレンジや赤など、海の青の中で目立つ色をしています。
また、大抵のフロートには潜水していることを示す潜水旗がセットになっています。
潜水旗には以下二種類があります。
潜水旗A
国際信号旗の一つで、潜水士などのダイバーを降ろしている船はこの旗を掲げなければならないという規定があります。
船舶の免許を持ち船を運転する者は、この旗を掲げている船の半径30m以内に入ってはいけないという規定を把握しています。
レクレーションダイバー旗
アメリカが発祥で、ダイビングやスピアフィッシングなどのレクレーションをする人々の為に作られた旗で、国際的に利用されています。
しかし、この旗は法的な裏付けはない為、把握していない運転手もいる事を覚えておいてください。
いずれの旗を使おうと、目立つ色のフロートのみで泳ごうと、船の運転手に存在を知ってもらう為にのアピールになります。
万が一事故があった場合に法的に守られるためには、潜水旗Aを掲げておく必要がありそうです。
大型の魚を突いた後の駆け引き
海中でクエなどの大型の根魚や、ブリなどの大型の回遊魚を突いた場合は、キルショット(一撃で即死)でない限り、回収を済ませて浮上することはとても難しい状況です。
こんな時は、フロートと銛をラインでつないでおくことで、浮上後にフロートの側にいれば銛と魚の位置を把握することができます。
あとは、息を整えてラインをたどっていけば、銛と魚の位置にたどり着けるという事です。
突いた獲物が根魚で穴に潜られていない限りは、水面にいる状態でラインを手繰り寄せれば、簡単に回収することもできます。
獲物を自身から離しサメ避け
メジロやオオメジロが多い海域は潮通しが良く、ターゲットとなる魚もたくさんいる事が多いです。
こんな場所で魚を突くと、血の匂いに誘われて、サメが寄ってきます。
自身の体に括り付けておくと、サメがすぐ側まで寄ってきます。
嚙まれたことはありませんが、本当に生きた心地がしません。
これを回避するために、フロートに獲物を付けておいて、最悪でも、獲物だけ獲られるといった形にし、自身が噛まれるリスクを除きます。
フロート/ラインの危険性
フロートとラインは扱いが難しく、下手に使っていると、命を落とすきっかけにもなります。
例としては以下です。
水中拘束
潜水中にラインと岩が絡まり、ラインと体が絡まった場合、浮上が困難となります。
その為にナイフは必ず身に着けておきますが、酸素がギリギリの状態で浮上しようとした時に水中拘束となってしまったら、パニックになり冷静に対処する事はほぼ不可能でしょう。
私自身これで危なかったことがあるので、「魚突きをしていて死にかけた事例5選」にまとめてあります。是非読んでみてください。
岩との絡まり
岩場付近を泳いでいるとフロートが風に流され、岩場に絡まってしまうことがあります。
回収しようとしても、波が高い場合は、体が煽られ岩にたたきつけられる危険があります。
この様な時は、回収は早めにあきらめて、フロート/ラインを放棄して岩場から離れるようにしましょう。
フロートは買いなおせますが、命は一つです。
フロートの不要なケース
ホームページによっては、必須と書かれていますが、私は、死のリスクを減らすためにも、状況に合わせて要否を判断するべきと考えています。
以下のケースがすべて当てはまる場合は、使用しない方がいいと考えます。
- 初心者(ラインの取り扱いがとても難しい為)
- 船が通る海域に入らない
- クエやブリの様な大型の魚を突かない
- 人を襲うサメがいない
- 深い海域を潜らない(10mくらい)
お勧めのフロート
僕が使っているフロートです。
仲間が使っているフロートです。
フロートにラインは付属していますが、万が一の時に切りやすいゴム製を使っています。
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